あの味をもう一度・・~庶民が愛したチェリー~

ご機嫌よう、モクモクさんにございます。
本日は、2011年に姿を消した庶民のたばこ チェリー を取り上げます。そしてこの銘柄を愛したと伝えられるのが、時代小説の大家、池波正太郎でございます。さらに本稿ではシャグを用いてチェリーの味を再現する試みもございますのでぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 庶民派たばこ、チェリー
  2. 池波先生とチェリー
  3. 再現の試み
  4. テイスティングノート
  5. 池波作品の庶民感とチェリー
  6. もしもの情景
  7. 終わりに

庶民派たばこ、チェリー

1946年に発売されたチェリーは、2011年までの60余年、街角で親しまれてきました。
価格は安く、味わいは軽やか。バニラのような華やかさやハイライトの強い喉当たりはなく、素朴な甘みがほんのり漂う、毎日に寄り添う一本でした。

ピースは「戦後の高級銘柄」。
のちに登場するハイライトは「男らしい強さ」の象徴。
その対比の中でチェリーは「誰でも買える、誰でも吸える」たばこでした。

駅前で学生が小遣いをはたいて一服し、工場帰りの労働者が缶コーヒーと共に火をつける──当時の日本ではそんな光景も珍しくありませんでした。
(※現在は未成年者の喫煙は法律で厳しく禁止されています。ここで述べる学生喫煙は、あくまで昭和の世相を振り返るものです。)

2011年、ついに販売終了。健康志向の高まりと禁煙政策、そして「安いたばこ」の需要減少が重なり、チェリーは静かに姿を消しました。

池波先生とチェリー

『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』で知られる池波先生は、大の愛煙家でした。
先生の小説には江戸庶民の暮らしが生き生きと描かれます。

蕎麦の湯気、川魚の匂い、長屋の笑い声──

そうした細部が登場人物を人間らしく立ち上がらせています。

そんな池波先生が手にしていたのが、庶民派銘柄チェリー。
高級志向のピースではなく、素朴で日常的な一本を選ぶところに

作家としての姿勢がにじみます。
机の片隅に赤いパッケージが転がる光景を思い浮かべると

人情味あふれる物語世界と重なって見えてくるのです。

再現の試み

廃盤銘柄をそのまま吸うことはできません。
しかし、シャグを用いれば追体験は可能です。

葉を組み合わせ、巻き上げて火を灯せば、失われた味わいが蘇ります。

今回の配合は以下のとおりです。

  • コルツ・100%ナチュラル …… 55%
  • ペペ・オーガニックシャグ …… 25%
  • スタンレー・ダブルヘーゼルナッツ …… 15%
  • コルツ・チェリー …… 5%

テイスティングノート

  • 序盤:軽やかな甘みに、ごく控えめなチェリーの香り。
  • 中盤:ナッツの香ばしさが主体となり、懐かしい素朴感が広がる。
  • 終盤:ペペの渋みが全体をまとめ、庶民銘柄らしい余韻で幕を閉じる。

池波作品の庶民感とチェリー

池波先生が描いたのは江戸の町に生きる庶民たちの姿でした。
日々の小さな楽しみを大事にする人々──安い蕎麦をすする、屋台で熱燗を傾ける、気取らない煙をくゆらす。

チェリーの素朴な味わいは、そうした「庶民感覚」と響き合っていたのでしょう。

もしもの情景

もし池波先生が現代に生きていたら。
電子タバコのショールームを冷やかしに立ち寄り、
「いや、わたしはチェリーでいい」と肩をすくめたかもしれません。

そしてBRIQUETの棚からコルツとスタンレーを手に取り、
「これで江戸っ子の味を巻いてみるか」と笑ったかもしれない。

終わりに

チェリーはすでに市場から消えました。
けれどシャグを組み合わせれば、その素朴な甘みと親しみやすさは確かに蘇ります。
そして煙の向こうには、庶民感覚を愛した池波先生の横顔が浮かんでくるのです。

また、現在でも入手できる往年の銘柄として
ピースハイライト をBRIQUETで取り扱っております。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です